将来の準備は大丈夫? 介護費用と年金の意外な関係



介護費用はどのくらいかかる?

 

 

さて、介護費用は実際にはどのくらいかかるのでしょうか。ただし、これは各人によって相当な差があります。

 

例えば、在宅介護なのか施設介護なのかという違い、どのようなサービス、施設を利用するのか、公的介護保険では適用されないような費用もあります。こうしたさまざまな要素によって異なってきます。

 

ある調査結果(第一生命経済研究所「正社員に聞いた親の介護に関するアンケート」2011年11月)ですが、介護保険利用者の介護保険サービスにかかった1か月の費用平均金額は約4万円となっているそうです。これは介護保険制度における居宅介護サービス、施設介護サービスの利用料に加え、他の各種加算、支給限度額を超えた自己負担分なども含みます。そうした現実的な平均金額です。

 

もちろん、要介護度等によって金額が異なってくるわけで、要介護度が重い人ほど金額が高くなる傾向になります。更に、介護保険以外の費用も加わります。それは医療費や介護用品など多くの人が負担している費用で、それを加えると、1か月の費用合計は月約7万円となるそうです。

 

こうした介護にかかる費用をどのようにしてまかなっているのか。それは、要介護者(またはその配偶者)の公的年金が約8割で圧倒的に多くなっています。次が介護者(またはその配偶者等)の就労収入で約3割、要介護者(またはその配偶者)の預貯金、有価証券などが約2割です。やはり年金との関係が深いわけです。